今日は面白いペアリングを試したいと思います。
早速検証していきます。
麻婆豆腐
ワインに合わせるということで、唐辛子はほとんど入っておりません。代わりに味噌を少々。
醤油と味噌の出汁感ある味わいにひき肉が混ざり合います。
非常に滋味深い味わいの一品。
こんな料理にはフルーティーなワインではなく、少し枯れていて、ミディアムボディのワインがよく合いそうです。
そこで今日はこんなワインを用意しました。
カンテ ピノネロ セレツィオーネ
ピノノワールとしては珍しいイタリア産のワイン。(ピノノワールはイタリアではピノネロとも呼ばれてます)
しかも2016年と少し熟成しております。
さてどんなペアリングになるのでしょうか。
麻婆豆腐×ピノネロ
味噌と醤油の混じりあった甘味と旨味がワインの持つ旨味にバッチリ合いあます。
口中でお互いが喧嘩することなく綺麗に交じり合います。
熟成感のある角のとれたタンニンとひき肉のボリュームもピッタリ。
全体的に丸みのある調和のとれたペアリングでした。
個人的テイスティングコメント
外観は明るめのルビーレッド。透き通った美しい色合いで、エッジにオレンジ色が見られ、綺麗なグラデーションがかかっています。粘性は中程度。ほどよい熟成感を外観からも感じることができます。
香りの量は非常に多く、ドライフルーツのような乾いたフルーツの香りはラズベリーやサワーチェリーなど赤い果実が中心。そこに乾いたバラ、ナツメグ、生肉など深みを与える香りが混ざり合います。
紅茶のようなニュアンスも感じられ、気品の良さもある。一筋縄ではいかない複雑さを持ったエレガントなワイン。
ジューシーなアタックで、果実の味わいと爽やかな酸が印象的。アルコールは中程度。タンニンは完全に溶け込んでおり、なめらからな口当たりが程よく口中を収斂させます。
量が多くピュアで伸びのある酸がこのワインにエレガンスを与えており、しなやかで柔らかなテクスチャーを形成。
体に染み込む様な純粋な味わい。若干熟れた赤い果実の味わいが口いっぱいに広がり、中盤からはまるでブドウの出汁のような凝縮した果実味も楽しむことができます。
余韻は非常に長く、ワインを飲み込んだあともしばらくは出汁のような旨味を感じることができます。
エレガンス、複雑さを兼ね備えながらも一言で「美味しい」ということも感じられる非常に素晴らしいワインです。
カンテについて
このワインの生産者であるカンテはイタリア最高の白ワインの造り手と称される方です。
造り方は極力醸造に手を加えない「ハンズオフ」いわゆる自然派の造りで本当にピュアな味わいという言葉がしっくりきます。
なかなかお目にかかることのないイタリアの熟成ピノノワール。
是非一度お試しください。
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